業界のベテラン、マイケル・カーンズ氏がイマーシブ・システムにGenelecを選択
マイケル・カーンズ氏は、プロオーディオ業界で豊富な経験を有しています。長年に渡りソフトウェア・エンジニア兼ミュージシャンとして活動し、Lexicon 960L、PCM96、Lexiconプラグインなどの画期的な製品の製作を担当。近年は、Exponential Audioを設立し、デジタル・リバーブ界を牽引するメーカーとしてR4、PhoenixVerb Surround、Symphonyなどで知られています。音楽業界とオーディオ・ポストプロダクション業界の両方でオーディオ・プロフェッショナルの仕事を支える中心的存在となっており、先頃マサチューセッツ州ケンブリッジを拠点とし、ソフトウェア、プラグイン、ハードウェア、モバイルアプリの有名デザインメーカーiZotopeの傘下になりました。ハードウェアとソフトウェアの開発以外にも、クラシック音楽の作曲で学位を有しており、自身の開発するプラグインに音楽性とクリエイティビティを付加しています。
「物心ついてからずっと作曲や録音を行ってきました」と、カーンズ氏。「最近はクラシック音楽を録音することが多いのですが、オーディオ編集ソフトウェアやエフェクト処理ソフトウェアの開発や、ドルビーアトモスなどのようにイマーシブ・オーディオで機能するリバーブの製作と誕生にも関わってきました。ですから、スピーカー、ハイト・チャンネル、こういったエフェクトのすべてをできるだけ多く使用することにはずっと興味があり、それが私をGenelecに導いたのです」
カーンズ氏は次のように続けます。「レコーディング・エンジニアとして、私はかなりのクラシック音楽を録音していますが、これらの録音に望むのは正確性。また、これらのトラックを、アトモスのような方式に適したハイト・チャンネルやパラメーターを使用するミックスに変換してみたいとも思っています。Genelecを選んだ理由は、初めてGenelecを使用したのは30年以上前だと思いますが、その時Genelecのもたらす正確なイメージングにすぐさま感銘を受けたからです。その印象は今でも変わりません」
イマーシブ・オーディオ・フォーマットの研究と取り組みを続けるにつれて、クリティカル・リスニングの重要性はこれまで以上に高まっているとカーンズ氏は話します。「イマーシブ・オーディオを扱うのであれば、正確なイメージングの必要性は高まる一方です。また、信頼度の高い再現性も重要です。この業界では、録音し直す機会を得ることはありません。もちろん、高品質のマイクロフォンを使用し、オーディオ/パフォーマンスのキャプチャ時にどこに配置するべきかについての知識を持つことは必須ですが、その上で録音内容を聴いた時に、最初に聴いた音と同じ音が聴こえなくてはいけません。シグナルチェーン全体が信頼性の高いものでなくてはならないのです。そして重要なのは、そのミックスをエンドユーザーやクライアントに伝える必要がある点。Genelecが役割を果たすのはそこなのです」
現在カーンズ氏はL-C-R配置のGenelec 8341から成る11.1チャンネルで使用しています。Genelec 8331がサイド、リア、ハイトの各チャンネルに、Genelec 7370がローエンドに使用されています。
カーンズ氏が魅了されたもうひとつの機能はGenelec独自のGenelec Loudspeaker Manager™ (GLM™)ネットワークとソフトウェアで、柔軟性と信頼性に優れたモニタリング・システムの構築を可能にします。これについてカーンズ氏は次のように語っています。「GLMは素晴らしい。ステレオを超えるチャンネル数を扱う場合に生じる問題のひとつは、ボリューム・コントロールをひとつに絞りたいということ。サラウンドではもちろん、ハイト・チャンネルのあるイマーシブの場合はさらに問題は大きくなります。ひとつのコントロールを操作するだけで、すべてのスピーカーが調整され、適切にEQが設定されるようにしたいわけです。室内音響が適切に処置されている場合でも問題は生じます。距離が異なったりと、さまざまな問題があるのです。検討すべきオプションとして、ほとんどの人々が直面するのは、システム・コントロールについてはどうすべきかという点です。GLMならそれに対処してくれます。GLMが室内音響のセットアップを行ってくれるのです。モードに切り替えるだけ、それもシステムをオンにするだけで望みのレベルへと調整できます。これで完了です。もちろん、室内にあるものを動かしたりした場合には再キャリブレートの必要がありますが、それも非常に簡単です。プロセスはオーディオAVレシーバーのセットアップとほとんど変わりません。違うのは結果がずっと優れているということだけです」
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