B26 コワーキング・スペース(スウェーデン)にRAWパワーを提供
スウェーデンのストックホルム・バステラスにあるB26には、7つのフロアわたって企業の仕事やビジネス、出会い、そして創造のために利用できる5000平方メートルにもおよぶラグジュアリーなスペースがあります。共同作業やリモートワークのためのミーティング・ルーム、レストラン、パノラマの景色が広がる屋上テラスなどを備えたB26は、バステラスで最初の、かつ世界に通用するコワーキング・スペースです。
建物全体に高品質なAVシステムを求めていたB26は、受賞歴も誇るスウェーデンのAVインテグレーション・スペシャリスト企業、JML-System ABにその設計を依頼。JML-SystemはB26のニーズに応えることができるソリューションとして、Genelecの設備スピーカーである4000シリーズのRAWフィニッシュを指定しました。
小音量と大音量、その両方で優れたサウンドを実現する、柔軟で使いやすいシステムを提案しました。
B26が入る建物は、バステラスの有名な建築家であるSven Ahlbomによって1950年代に設計され、以来バステラスが大都市に発展するまでを見守ってきたかのような産業化の時代(インダストリアライゼーション)の痕跡を残しています。B26はモダンで居心地の良い雰囲気を作り出しつつも、このインダストリアライゼーションを彷彿とさせる雰囲気を遺すことにこだわりました。この独特の美しさは、B26にとってオーディオ・クオリティと共に重要だったのです。JML-SystemのJohnnyFranzén氏は、次のように説明します。「私達はデザインと機能、そして最先端のテクノロジーについて考慮する必要がありました。B26は非常に新しいコンセプトのスペースです。クライアントは私達に、現在手に入れられる最高のものだけではなく、この"時間の試練”にも耐えることができる保証を求めていました。最善の方法にたどり着くまでに、私達は長い期間にわたってこのプロジェクトに取り組みました」
「Genelecは当初から最適なソリューションでしたが、このプロジェクトでRAWフィニッシュが使えるということが明らかになったことで、すべてのピースが然るべきところに収まりました」と彼は続けます。
「視覚的には未完成とも言えるナチュラルなアルミニウムのケースを供えたRAWフィニッシュは、レンガやダクトが露出している古い工場のような環境に最適です。また、RAWフィニッシュが環境に優しいということは、"環境への影響を積極的に減らす”という哲学を持つB26にとっても大きな魅力となりました」
RAWフィニッシュの外観は驚くほど素晴らしく、環境にも優しいスピーカーです。
GenelecのRAWフィニッシュは塗装の工程を必要とせず、それに伴って仕上げに必要とされる材料も少なくすることができます。エンクロージャーはリサイクル・アルミニウムから作られていますが、RAWフィニッシュはこの素材が持つ自然な美しさを最大限に活用しながら、ひとつひとつに独特の風合いをもたらします。Genelecの特徴のひとつとなるMinimum Diffraction Enclosure(MDE)デザインは、このRAWフィニッシュでも例外なく採用されており、この湾曲した形状によって想像を超えるほどのフラットな周波数特性、正確なイメージングといった比類のない音響性能を実現しています。
一方の技術的な要望は、日中は小音量で再生を行いつつも、その品質を損なうことなく音量を上げることができ、数時間後にはクラブ・パーティーさながらの雰囲気を作り出すことのできる高品位なオーディオ・システムでした。
JML-Systemは、広いエリアでは設備スピーカーとなる4000シリーズの中でも最大のサイズとなるパワフルな4040を42台、そして狭いエリアにはコンパクトな4020を20台設置する、マルチゾーンでの分散システムを指定しました。また、開放感のあるメインのソーシャル・スペースには、吊り下げ式のスクリーンにシネマ・クオリティのオーディオを提供するニアフィールド・スタジオ・モニター8050Bの姿もあります。この8050Bとスクリーンは、傾斜を付けて座席を配置するなど巧妙に設計されたミニ講堂エリアからの視聴でも活躍します。
「4040の低域は、サブウーファーで補う必要のない程パワフルなものでしたので、広いエリアでは4040を選択することにしました」とFranzén氏はコメントします。「これによって、コストとスピーカーの設置に必要なスペースが節約されることとなり、結果として音量が不均一になることも心配する必要がなくなりました。こうした心配事は、大規模なスペースにおける分散システムとして複数のサブウーファーを採用し、それらをどこに置くのかという問題に直面した際に浮上します。しかしながら、4040には十分なヘッドルームがあり、かなりの大音量で再生することができますので、まるでクラブさながらの雰囲気を仕事後のコワーキングスペースに生み出すことができるのです。しかも、素晴らしいサウンドはそのままに。また、4020は狭い空間に最適でした」
オーディオ・クオリティに加え、JML-Systemにとってもう一つ重要なポイントとなったのが、4000シリーズの設備スピーカーがアンプを内蔵するアクティブ・タイプであったことです。「インストール作業が非常に簡単なものとなるため、私達にとってアクティブ・タイプであることは重要でした」とFranzén氏は話します。「追加のケーブルやその配線、アンプ用のスペースの確保などを気にする必要がなくなるんです。音を出すために必要なものはすべて同梱されており、またGenelecには、ほとんどの状況に適応できる幅広い取り付けアクセサリーがあります」
すべてのスピーカーケーブルは、B26のモダンかつインダストリアルな雰囲気に合わせて用意された光沢のある金属製パイプに収められており、それらはRAWフィニッシュの仕上げと見事に調和しています。Franzén氏は、その結果にとても満足しています。「オーディオ的な観点では、Genelecが最高の品質を提供する信頼できるブランドであることは承知していました。これは今回のケースでも同様です。協力会社のOne4All ABとのパートナーシップによって、ホット・スポットやデッド・ゾーンのない、小音量/大音量のいずれでも優れたサウンドを実現した柔軟で使いやすいシステムを提供することができました。しかし、このインストールの本当の意味でのプラスは、RAWフィニッシュだったと思います。これはスカンジナビアの企業から登場した、より地球環境に配慮したシステムであり、すでにサステナビリティの観点で非常に高いランクに位置しています。これは間違いなく、B26がすべての要素において心が踊るようなレベルを実現できたことの決定的な要因となりました」
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