8381Aは、ソースのレベルやダイナミクスを忠実に再現し、あらゆるディテイルを再現します。フリースタンディング型で柔軟に設置でき、高度な室内音響キャリブレーションにも対応。エンジニアやクリエイターのために作られた、最高品質の製品です。
8381A
SAM™ アダプティブ・ポイント・ソース・メイン・モニター
PCDテクノロジー
MDC™ ドライバー・テクノロジー
音圧レベル
126 dB
周波数特性
20 Hz - 35 kHz (-6 dB)
サイズ
H 1458 x W 500 x D 694 mm (インチで見る)
リスニング・ルームへの完璧な最適化
8381Aモニター・システムは、GLMソフトウェアとの連携により、室内レスポンスをインテリジェントに最適化。厳しい音響条件にも対応できる高い柔軟性を実現し、低音域に至るまで極めて正確なモニタリングが可能です。
可聴範囲外にまで伸びる周波数レスポンス、時間領域における完璧な整合性により、ソースを正確に再現します。高い音圧レベルから極めて低いレベルの繊細なディテイルまでも確実に聴き取ることができる、妥協のないモニタリング・ツールです。
信頼性の高いイメージング
8381Aではその並外れたイメージング性能により、ミキシングやマスタリングでの素早い判断を可能とします。また、スピーカーとリスニング・ポジションとの距離に関わらず正確な音色と音像を再現できるポイント・ソース理論により、スピーカーの柔軟な配置も可能です。これによりラージ・モニターで生じがちなリスニング・ポジションの高さの違いによる音色変化も解決します。
入念に設計されたDCW(Directivity Control Waveguide)テクノロジーによるウェーブガイドは、音響軸内/軸外を問わずフラットなレスポンスを実現し、部屋の残響音がサウンドに与える悪影響を最小限に抑えます。同時に、どんな部屋でも正確で信頼性の高いモニタリングが行えることで、ミキシングでの適切な判断が可能になります。
8381Aは、床に直接設置することで、自然な高さに音像が再現されます。付属のアクセサリーを使うことで、高さや照射角度を調整することも可能です。設置する高さに関わらず最適な音響軸をリスニング・ポジションに向けて調整することができます。
新たなソリューションの解放
8381Aは、フリースタンディング型スピーカーによるモニタリング・ソリューションの新たな地平を切り開き、完璧かつ忠実なサウンド・イメージでリスナーを深く包み込む革新的な製品です。
厳しい音響空間であっても、強力なパワーと高精度のイメージングを実現し、ソースを細部まで正確にモニタリングできます。
最適化された指向性コントロールと融合したポイント・ソースの設計原理は、音響軸内/軸外を問わずフラットな周波数レスポンスを実現。室内で移動したり、リスニング・ポジションで立ち上がった場合でも音色が変化することのない、正確なモニタリングが可能となります。
優れた品質とサポート
8381Aは世界的工業デザイナー、ハッリ・コスキネンの指導のもと、設計から製造までのすべての工程をフィンランド・イーサルミで行っています。Genelecのエンジニアリング・チームは、40年以上にわたる経験と情熱を注ぎ込み、8381Aのすべてのコンポーネントを綿密に設計し、最適化しました。その結果、比類無いパワーと妥協を排したサウンドを実現し、どんなに要求の厳しい要件にも対応できる最高品質のモニタリング・スピーカーが誕生しました。
8381Aは、お客様の長期に渡るクリエイティビティを保証します。初期設定から現場でのコンサルティングまで、8381Aのご使用に関してお困りの際は、いつでもご相談ください。
Genelec
8381A SAM™ アダプティブ・ポイント・ソース・メイン・モニター(ブラック)
8381A SAM™ アダプティブ・ポイント・ソース・メイン・モニター(ホワイト)
パッケージ内容
– 8381Aは、トップおよびボトムのエンクロージャ(これらを組み合わせて1台のユニットとなります)、個別にキャリブレートされた2基のRAM-81アンプ、垂直方向の音響軸を最適化する傾斜ウェッジ(くさび)等のアクセサリー・キットを、合板パレットに収めて出荷されます。
– クイック・セットアップ・ガイド(製品ページおよびオペレーティング・マニュアルを含むドキュメントへのリンク)
– GLMキットおよびGLMソフトウェア・ライセンス
SonicAdvisor™ サービス
8381Aの納入から1年以内に、現地でのSonicAdvisor™キャリブレーション・サービス(証明書付)と、オンライン・リモート・コンサルティングをそれぞれ1度実施します。
保証
未登録:2年間
登録ユーザー:10年間(合計)
8381A
受賞歴
技術仕様
音圧レベル
126 dB
アンプ出力
アンプ総出力 5926W(クラスD)
周波数特性
20 Hz - 35 kHz ("-6 dB")
周波数特性の精度
± 1.5 dB
ドライバー・サイズ
2 x ⌀ 381 mm ウーファー + ⌀ 381 mm ウーファー + 4 x ⌀ 127 mm ミッドレンジ + ⌀ 127 mm 同軸ミッドレンジ + ⌀ 25 mm 同軸ツイーター (インチで見る)
サイズ
H 1458 x W 500 x D 694 mm, (インチで見る)
質量
200 kg / 440.9 lb
接続端子
2 x XLR アナログ 入力
2 x XLR アナログ 出力
2 x XLR AES/EBU 入力
2 x XLR AES/EBU 出力
4 x RJ45 コントロール
8381A
SAM™ アダプティブ・ポイント・ソース・メイン・モニター
技術仕様
8381Aは、ソースのレベルやダイナミクスを忠実に再現し、あらゆるディテイルを再現します。フリースタンディング型で柔軟に設置でき、高度な室内音響キャリブレーションにも対応。エンジニアやクリエイターのために作られた、最高品質の製品です。
システム仕様
周波数特性
低域カットオフ -6dB
20 Hz
高域カットオフ -6dB
35 kHz
音圧レベル
最大音圧レベル ペア毎の最大音圧レベル
≥129 dB
瞬間最大音圧レベル 軸上、半空間、1m、100 Hz ~ 3 kHz
≥126 dB
全高調波歪 < 10 % f < 200 Hz、全高調波歪 < 3 % f > 200 Hz
最大長期RMS音圧レベル IEC 規定のテスト信号による最大長期 RMS 音響出力 (ドライバー保護回路による制限あり)、1 m、半空間
≥121 dB
質量
質量200 kg (440.9 lb)
サイズ
高さ
1458 mm
幅
500 mm
奥行き
694 mm
- エンクロージャ 1のサイズ:
880 x 694 x 500 mm
- エンクロージャ 2のサイズ:
570 x 694 x 500 mmbr
- 梱包サイズ:
1076 x 1200 x 1000 mm
エンクロージャ
エンクロージャ素材
MDF
ドライバー
ドライバー・タイプ
コーン
ダブル・ウーファー
数
2
直径
381 mm
ドライバー・タイプ
コーン
フロント・ウーファー
直径
381 mm
ドライバー・タイプ
ドーム
クアッド・ミッドレンジ・システム
数
4
直径
127 mm
ドライバー・タイプ
コーン
同軸ミッドレンジ
直径
127 mm
ドライバー・タイプ
ドーム
コンプレッション・ツイーター ボイスコイル 25 mm (1 in)、 スロート 13 mm (0.5 in)
直径
25 mm
指向性
アンプ部
アンプ
2 x RAM-81(片chあたり)
19 inch ラック・マウント(高さ:3U) 各アンプはフィンランド・イーサルミのGenelec本社工場にて各ドライバーに合わせて個別に調整
アンプ総出力 5926W
質量
11 kg
(24.3 lb)
メイン電圧
100-240 VAC 50/60Hz
消費電力
ISS稼働時
≤1.2 W
アイドル時
≤140 W
最大出力時
2200 W
信号処理部
接続端子
2 x 入力 アナログ入力(XLRメス、バランス、10 kΩ)
2 x 出力 アナログ出力(XLRオス、10 kΩ)
2 x 入力 デジタル入力(XLRメス、110 Ω)
2 x 出力 デジタル出力 / スルー (XLRオス、110 Ω)
4 x コントロール CAT5 (RJ45) GLM ネットワーク端子
※Genelec Loudspeaker Managerソフトウェアでのコントロール用
クロスオーバー
サイド・ウーファー/フロント・ウーファー
50-100 Hz (可変)
フロント/クアッド・ミッドレンジ・システム
150-250 Hz (可変)
クアッド・ミッドレンジ・システム/同軸ミッドレンジ
500 Hz
同軸ミッドレンジ/ツイーター
1800 Hz
製品バリエーション
製品コード
詳細な技術仕様はオペレーティングマニュアルをご覧ください。
主要な技術 ※アイコンのクリックで詳細を表示
PCDテクノロジー
MDC™ドライバー・テクノロジー
QMSシステム
DLWシステム
SAM™ システム
レフポート・デザイン
ISS™ テクノロジー
DCW™ テクノロジー
最適化されたアンプ
保護回路
アクティブ・クロスオーバー
PCD(Point Source Continued Directivity)テクノロジー
重要な周波数がスピーカーの同じ位置から放射され、時間領域における完璧な整合性が保たれます。これにより正確なイメージングとナチュラルな音場表現が可能となり、最低LF周波数までも本来発生した位置で聴かせることが可能となります。
MDC™ (Minimum Diffraction Coaxial)ドライバー・テクノロジー・トランデューサーは極めて優れたサウンド・イメージを再現します。
現行の同軸デザインすべてに典型的なのが、回折の問題により生じる、でこぼこした周波数特性です。しかし、ソースの位置が一致しないことによるクロスオーバーの問題は、同軸構成により解決されます。GenelecのMDC™ (Minimum Diffraction Coaxial)ソリューションはここに端を発しています。一般的な同軸デザインの利点の恩恵を受けつつ、不十分な部分を克服します。
最初のステップは、コーンの変位を最小限に抑えること、つまり、ドライバーの低周波数帯域幅を制限することです。次は、回折のあらゆる発生源をなくすことです。MDCデザインの主要構造は、一体化されたMFダイアフラム・サスペンション・ツイーター構造から構成されています。同軸ドライバーの外から見える部分はカーブした柔軟な外皮で形成されており、その中央にはドーム・ツイーター・アセンブリが配置されています。内側部分はコーンが音響上の不連続を生じることなくツイーターにつながり、外側部分もコーンとドライバー・シャーシとの間で同様につながっています。
ツイーターとコーンとの間に聞き分けることのできるような音響上不連続はなく、滑らかな表面で回折もありません。コーンの断面形状は極めて入念に最適化されており、ツイーター放射の一体型指向性制御ウェーブガイドが形成されています。ドライバー外縁は、ミッドレンジの放射の分散も制御できるよう、通常のGenelec DCWへとつながっています。そのレスポンスは軸上でも軸外でも極めて滑らかで不規則なところがなく、指向性もうまく制御されています。
同軸デザインにおけるこの飛躍的進歩により、軸上および軸外でのイメージングと全体的な音質の改善、音楽に含まれるディテールを明瞭かつ精細に再現できる非常にスムーズな周波数特性をもたらします。
要約すると、GenelecのDCW™ とMDC™ を組み合わせたデザインの独創的な点は主に以下のようなものになります。
- ツイーターおよびミッドレンジのダイアフラム間の回折のない接続。
- ミッドレンジのダイアフラムとDCW™ ウェーブガイドとの間の回折のない接続。
- 特許技術のミッドレンジ・ダイアフラム・テクノロジー ― 硬質なコーンと、サスペンション自体を含む弾力性のある内部損失の高い素材とを組み合わせたラミネート構造。
- 生じがちな非線形性を打ち消すミッドレンジ・ダイアフラム・サスペンションのペア。
これらの技術上の利点:
- よりスムーズな周波数特性が得られます。
- 各ドライバーがそれぞれの動作帯域幅にわたって一貫して連結されます。
- 重要な周波数帯域での指向性制御を大幅に向上させます。
- バランスの取れたサスペンションを提供して音響上の歪みを最小限に抑えます。
- 8000シリーズの外観と利点はそのままに、フロント・バッフル・エリアの使用を最適化します。
QMS(Quad Midrange System)システム
MDC(Minimum Diffraction Coaxial)ドライバーによる出力と低域の優れた指向性により、ウーファー帯域までのポイント・ソースを実現した同軸ウーファー・ソリューションです。
DLW(Double Low-Woofer)システム
Genelec独自のPCD(Point Source Continued Directivity)テクノロジーと組み合わせることで、パフォーマンスやイメージングに妥協することなく、完全に自由なモニター配置を可能にするリコイル補正アダプティブ・ウーファー・ソリューションです。
ネットワークされたSAM™ (Smart Active Monitor)システムは設置環境に自動キャリブレーションを提供
ここ10年の間にメディア・コンテンツ制作が世界的に急増し、その結果、増大した仕事量を扱うネットワーク機能に大幅な変化が現れました。そして今、これまで以上に多くのオーディオ制作がよりタイトで制約の多い作業環境で行われるようになっています。これにより、音響上の問題は増加し、モニタリングの信頼性は低下しています。同時に、プロのオーディオ・エンジニアは、音をニュートラルかつ歪みなしに再現できる、信頼性に優れた高精度のモニタリング・システムに絶対的な信頼を持たざるを得ません。
1200、8000、7000シリーズ製品の電子音響における確固たる基盤に基づき構築された先進のGenelec SAMシステムは、柔軟かつ最新鋭のモニタリング・ソリューションです。音響環境に自動適応し、レベル、ディレイ、室内音響を補正できるため、オーディオのプロにとって不可欠なツールとなっています。SAM™システムは、Genelec独自のGLM™(GENELEC Loudspeaker Manager)ネットワークおよびソフトウェアからコントロール可能で、柔軟性と信頼性に優れたモニタリング・システムを構築できます。
GLMソフトウェアは、ネットワーク上のSAMスタジオ・モニター/サブウーファー(80台以上)への接続を管理する、直感的でパワフルなモニター・コントロール・ネットワーキング・システムです。GLMソフトウェアは、信頼性に優れた最新鋭のAutoCal™ 自動キャリブレーション・システムによる、レベル、距離による遅延、柔軟なルーム・レスポンス補正イコライゼーションの調整機能を搭載しています。全パラメーターと設定は、システム設定ファイル内に保存したり、GLMネットワークの接続を解除する必要がある場合は各モニター/サブウーファー内に保存したりできます。
また、SAMシステムの音響機能はすべて、さまざまな作業スタイルやクライアントの要望に合わせて最適化できます。加えて、モニターや制作プロジェクトを部屋間で移動させる場合にも、SAMテクノロジーはモニタリングで最高レベルの一貫性を実現し、ニュートラルな音場イメージングと低歪を提供します。
GenelecのSAMシステムは、総合的かつソリューション指向でありインテリジェントにネットワーク化された製品を提供しており、あらゆる作業環境のアナログおよびデジタル信号に対応します。
先進のレフポート・デザインで低域の周波数特性を拡張
Genelecが開放式(バスレフ)エンクロージャを選択したのは、1978年に発表されたGenelec初の製品S30にまでさかのぼります。ポートの性能は、卓越した低域のアーティキュレーションと精細度を提供し、ウーファーの低周波の伸びと音圧レベルのキャパシティを高める目的で、時間をかけて向上、洗練されてきました。
レフレックス・エンクロージャの放射には、ドライバーと開口部の両方が関係します。放射のほとんどはドライバーに由来するものですが、開口式エンクロージャの共鳴周波数では、ドライバー変位の振幅が小さく、放射の大半は開口部に由来します。
チューブ内の空気の速度を最小限に抑えるには、開口部の断面積が大きくなくてはなりません。これはつまり、開口チューブを長くする必要があることを意味し、設計上の大きな難点となります。
長くて曲がったチューブでは、気流が増え、重低音をストレスなく再生できます。レフレックス・チューブの終端はエンクロージャ背面に大きく広がる開口部で、ポート・ノイズを最小限に抑え、優れた低域のアーティキュレーションを提供します。
チューブの曲率も、可聴雑音、圧縮、歪が最小限に抑えられるよう入念に設計されています。チューブの内側端には、吸排気の可聴ノイズや空気の乱流を最小限に抑えるよう、抵抗を高めるための相応の処理を行っています。
適切なレフポート・デザインにより、ウーファーの変位を大幅に低減することも可能で、リニアな低域出力のキャパシティを向上させます。
ISS™ (Intelligent Signal Sensing)テクノロジーはスタンバイ・モードでの電力消費を低減します。
2013年初頭に導入されたGenelecのISS(Intelligent Signal Sensing)テクノロジーは、EUのErP指令とGenelec独自のサステナビリティ・ポリシーに基づいて開発されています。
ISS™ 回路は、スピーカーの信号入力を監視し、スピーカーが使用中かどうかを検出します。ISS回路により一定時間にわたって入力にオーディオが検出されない場合、ISS回路はスピーカーをスリープ状態に切り替えます。この場合、スピーカーの電力消費は0.5ワット未満になります。入力信号が検出されると、スピーカーの電源がすぐさまオンになります。基本的に、スピーカー・システムは作業が中断されるとすぐに節電状態に入ります。
また、各製品の背面には他のルーム・レスポンス・コントロールと並んで「ISS Disable」スイッチがあります。まず、スピーカーの電源スイッチが「ON」の場合、スピーカーのISS™ オートスタート機能(低消費電力のスリープ状態のオン/オフ)が有効になります。
ISS™ 機能が不要な場合、背面パネルの「ISS Disable」スイッチを「ON」位置に設定することで無効に切り替えることができます。この場合、モニターの電源のオン/オフはは電源スイッチでのみ切り替えることができます。
電源スイッチはモニターの電源を完全にオフにしてしまいますのでご注意ください。
フラットな軸上/軸外レスポンスをもたらすDCW™ (Directivity Control Waveguide)
Genelecが1983年に当時卵形エンクロージャに使用したDCW™(Directivity Control Waveguide)の開発は革命的なアプローチでした。GenelecのDCWテクノロジーは、その後30年以上にわたって開発と改良がなされ、直接放射型のマルチウェイ・モニターの性能を大幅に向上させています。
DCWテクノロジーは、放射されるウェーブフロントを制御し、指向性(分散)パターンを調整できるようにします。指向性が均一でスムーズなものになるよう、目標としたのは、放射角を制限し、逸脱する放射を低減することでした。結果として、全体的な周波数特性が極めてフラットになり、電力感度も均一になりました。 先進のDCWテクノロジーは、初期反射を最小限に抑え、コントロールの利いた幅広いリスニング・エリアを提供し、軸上でも軸外でも正確なサウンド再現を実現します。
初期反射を最小限に抑え、指向性を制御して一定にすることには、もうひとつの重要な利点があります。それは、室内反射空間の周波数のバランスが、モニターからのダイレクトな空間と同じになることです。結果として、モニタリング・システムの性能の室内の音響特性への依存度が下がります。
サウンド・イメージの幅や奥行きは、あらゆるリスニング環境にとって重要な要素ですが、軸上のリスニング環境だけでなく、軸外のリスニング環境にも重要です。これは、エンジニアだけでなく、リスニング空間にいるその他の人々にも関係します。なぜならこれは、大型のコントロール・ルームでよくあるケースだからです。
DCW™ テクノロジーの主な利点:
- より幅広い有効リスニング・エリアに対するフラットな軸上/軸外レスポンス
- 直接音の反射音に対する比率が向上、室内音響の色付けを低減
- ステレオとサウンド・イメージが向上
- ドライブ・ユニット感度が最大6 dBに向上
- システムの最大音圧レベルが向上
- ドライバー・ユニットの歪を低減
- キャビネット・エッジの回折を低減
- システム全体の歪を低減
各トランデューサーはそれぞれ独自の最適化されたアンプにより駆動されます。
電子音響クロスオーバーは、オーディオ信号を複数の周波数帯域に分割し、それぞれを独自のパワー・アンプに供給し、そこから特定の周波数帯域に最適化された専用のトランスデューサーに接続できるようにします。
典型的な2ウェイ・スピーカー・システムでは、アクティブ・クロスオーバーにはウーファーに1つ、ツイーターに1つの計2基のパワー・アンプが必要です。パワー・アンプはアクティブ・スピーカーのドライバーに直接接続されているため、パワー・アンプの負荷はシンプルかつ既知のものとなります。ドライバー専用の各パワー・アンプは、限られた周波数範囲のみ増幅すればよいため(パワー・アンプはアクティブ・クロスオーバーの後に置かれます)、設計も簡単です。
アクティブ・デザインにはいくつもの利点があります。
- パワー・アンプはスピーカーのドライバーに直接接続され、ドライバーのボイスコイル上のパワー・アンプのダンピングにより行われる制御を最大化し、ドライバーの電子的特性の動的変化を低減します。これにより、システムのトランジェント応答が向上します。
- パワー・アンプの出力要件を低減できます。パッシブ・クロスオーバー・フィルターのコンポーネント内でエネルギーが失われることがないため、スピーカー・システムの音響出力を下げることなく、アンプのパワー出力要件を大幅に(ケースにもよるが最大で半分まで)低減することができます。これにより、コストを下げつつ、音質とシステムの信頼性を高めることができます。
- アンプとドライバー・ユニットの間での損失がないため、最大限の音響効率を得ることができます。
- アクティブ・テクノロジーは、サウンド出力、サイズ、低周波数カットオフ性能の間で優れたバランスを実現します。
- すべてのスピーカーは調整済みシステムとして出荷されます(アンプ、クロスオーバー電子回路、エンクロージャ/ドライバー・システム)。
洗練されたドライブ・ユニット保護回路が安全な動作を提供
重大なオーディオ制作環境での作業では、モニタリング・システムがいつでも頼りになり確実に動作し続けるものであることが重要です。放送業界でGenelecがすばらしい成功を収めた大きな理由のひとつは、Genelec製品が持つ信頼性であり、その信頼性を支える重要な要素となっているのが、1978年から全製品に組み込まれている保護回路です。
保護回路は、信号レベルを検出することでドライバーの不具合を防ぎ、突発的なピークや高すぎるレベルが続く場合、自動的に信号レベルを下げます。もちろん、スピーカーの仕様範囲での作業時にこの機能が音質に影響を与えることは一切なく、不適切な入力信号によりスピーカーが破壊されてしまうことを防止するだけの機能です。
保護回路の機能と利点:
- 必要な場合(ドライバーのボイスコイルの温度が安全限界に達した場合など)に出力レベルを下げます。これにより、システムの信頼性が大幅に向上します。
- スピーカーとサブウーファー内に適切な保護回路設計を行うことにより、システムの出力レベルを最大限に高めることができます。
信号レベルが低い場合に動作するアクティブ・クロスオーバー
電子音響クロスオーバーは、オーディオ信号を複数の周波数帯域に分割し、それぞれを独自のパワー・アンプに供給し、そこから特定の周波数帯域に最適化された専用のトランスデューサーに接続できるようにします。
アクティブ・クロスオーバーにはデジタルとアナログがあります。Genelecのデジタル・アクティブ・クロスオーバーには、ドライバー保護、ディレイ、イコライゼーションといった付加的な信号処理が含まれています。
Genelecのアナログ・アクティブ・クロスオーバー・フィルターには、パワー・アンプの入力に適した低い信号レベルで動作する電子部品が使用されています。これは、パワー・アンプ出力の高い信号レベルで動作し、強い電流や場合によっては高い電圧を扱わなくてはならないパッシブ・クロスオーバーとは対照的です。
典型的な2ウェイ・システムでは、アクティブ・クロスオーバーにはウーファーに1つ、ツイーターに1つの計2基のパワー・アンプが必要です。
アクティブ・クロスオーバー・デザインにはいくつもの利点があります。
- 周波数特性がドライバーの電気的特性や駆動レベルの動的変化の影響を受けなくなります。
- 使用している特定のドライバーに対して各出力周波数特性を微調整する柔軟性と精度が高まります。
- 各ドライバーには専用の信号処理およびパワー・アンプがあります。そのため、各ドライバーは他のドライバーが扱う駆動信号から切り離され、相互変調歪とオーバードライブ問題が低減されます。
- ドライバー間の感度のばらつきを補正できます。
- 意図するパスバンド内のドライバー特性に関連した周波数および位相レスポンスの逸脱を補正できます。
- 高品質アクティブ・スピーカーのフラットな周波数レスポンスは、クロスオーバー・フィルターのレスポンス、パワー・アンプのレスポンス、スピーカー・エンクロージャ内のドライバーのレスポンスとを組み合わせた結果です。
アクティブ・アプローチを採用することで、さまざまに異なる室内環境に配置されたスピーカー・システム全体の周波数レスポンス調整と最適化を、高価な外部イコライザーを使用することなく実施できるようになります。結果として、よりシンプルで効率と信頼性に優れた一貫性のある正確なアクティブ・スピーカー・システムとなります。
The Main Ones | 8381A SAM™アダプティブ・ポイント・ソース・メイン・モニター
The Main Ones | 8381A SAM™アダプティブ・ポイント・ソース・メイン・モニター
SAMテクノロジーとGLMソフトウェアによる高度なルーム・アダプテーションにより、低域にも及ぶ点音源特性と、軸上でも軸外でも、近距離から長距離まで完璧なイメージングで、空間でのリスニングを解放します。
フリースタンディング型でモニターを最適な位置にセッティングすることが可能な8381Aは、これまでにないメイン・モニターです。プロフェッショナル・レコーディング、ミキシング、マスタリング・スタジオの中規模から大規模のコントロール・ルームにおける高い音圧レベルを必要とする用途や、要求の厳しいハイファイ・リスニングに最適です。
モニター・スピーカーのセットアップ
導入事例
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BRIAN ENO AMBIENT KYOTO - Genelecが空間をよりクリエイティブにする
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