モニターとは？

リファレンスモニターは、モニター対象となるプログラムの種明かしをする役割を果たしま す。再生されるプログラムに何かを加えたり、何かを取り除いたり、隠すようなことがあって はいけません。人間に聴こえるのは、聴覚、モニターの性能、室内音響が組み合わさったもの です。そのため、環境からの影響をできるだけ受けることのない、室内の最適な場所に設置す る必要があります。

音の基本

音は言わば圧力の一種です。空気や水などの圧縮性媒体を伝わる一連の波として存在します。音は1 秒間に約344 m 移動します。1 m を移動するのにかかる時間は3 ms です。

自由空間（壁、床、天井のない空間）の場合、音のボリュームは距離が2 倍になる毎に6 dB下がります。音のレベルは増幅器出力が2 倍になる毎に3 dB 上がります。

音のレベルは増幅器出力が2 倍になる毎に3 dB 上がります。

映画およびテレビ向けサウンド制作に対する業界標準の参照音圧レベル（SPL）は、リスニン グ位置で82 ～ 85 dB です。

周波数スペクトル

オンライン辞典コリンズによると、電気信号の周波数スペクトルとは「各周波数成分における振幅と位相の分布」を意味します。可聴周波数スペクトルは10 オクターブ（40 Hz、80、160、320、640、1,280、2,560、5,120、10,240、20,480 Hz）にわたり、次のようにスペクトルを分割できます。

音の放射

低域、特に200 Hz を下回る低域では、モニターは全方向に放射します。これはつまり、同じ音圧がモニター周辺のあらゆる方向に向かって生まれるということです。高域では、この放射には指向性が生じます。中域は半球状のパターンで放射し、超高域はビームや光線状のパターンで放射します。Genelec のモニターは方向性がコントロールされており、周波数毎の方向性の変化を最小限に抑えています。

周波数範囲毎の音波の伝播

ラウドスピーカーの配置における放射の重要性については、「モニター配置」のセクションの「放射空間」の章をお読みください。

適切なモニターを選択する

Genelec では、リスニング距離と音圧レベルを元としてモニターを選択することをおすすめしています。どのモニターにも、それに調和するサブウーファーが存在しています。詳しくは、お近くの販売店および代理店までお問い合わせください。本書では、リスニング距離を定義し、最適なリスニングエリアを特定するためのいくつかのアドバイスを紹介します。

推奨されるリスニング距離

モニターとリスニング・ポイントとの距離は、モニターのパフォーマンスやリスニング・ポイントにおけるSPL に大きく影響します。以下の図は、各Genelec 製品におけるリスニング距離とSPL の関係を示したものです。

直接音の優位性

直接音と反射音のバランスは、リスニング・ポジションでの実際の聴こえ方に大きな影響を与えます。以下の表は、各Genelec 製品における最適なリスニング距離を検討するのに役立ちます。

製品性能

以下の表は、各Genelec 製品に最適なルーム・サイズを示したものです。