Media Innovation Workshop @ Inter BEE 2023
2020年以降は、オンラインのみでの開催にてみなさまと最先端の音響知識やノウハウを広く共有し続けてきましたが、2023年はついにオフラインでの開催を行うことになり、みなさまと同じお部屋で、リアルなスピーカーを使い、みなさまと同じ空気を震わせての開催となりました。このページでは、各セミナーのレポート記事をご紹介いたします。
11月15日〜17日の3日間、千葉の幕張メッセにて、日本随一の音と映像と通信のプロフェッショナル展として、コンテンツビジネスにかかわる最新のイノベーションが国内外から一堂に会する国際展示会「Inter BEE」が開催されました。
弊社グループも幕張メッセ会場にブースを出展いたしましたが、並行いたしまして、幕張メッセ メイン会場に隣接するホテル ニューオータニをサテライト会場とし「Media Innovation Workshop @ Inter BEE 2023」を開催。
下記より、さまざまなイマーシブフォーマットに関する有益な情報が満載のセミナーレポート記事をお読みいただけます。是非ご一読ください。
セミナー概要
シリーズ | Media Innovation Workshop @ Inter BEE 2023 |
日程 | 2023年11月15日(水)-11月17日(金) |
時間 | 下記タイムスケジュール表をご参照ください |
会場 | ホテルニューオータニ幕張 2階 宴会場「すいせん」
〒261-0021 千葉市美浜区ひび野2-120-3 TEL. 043-297-7777 (代表) https://www.newotani.co.jp/makuhari/access/ 幕張メッセ 展示ホール8 2階 連絡通路より直通 |
料金 | 無料 (先着25名、要予約)*受付終了いたしました。下記よりレポート記事をお楽しみいただけます。 |
タイムスケジュール表
11月15日(水) | 11月16日(木) | 11月17日(金) |
10:00-11:00 | ||
8381試聴セッション | ||
12:00-13:00 | ||
14:00-15:00 | ||
15:30-16:30 | ||
8381試聴セッション |
チャンネル・ベース セミナー
『イマーシブの基本、チャンネル・ベースを理解する』
〜WOWOW制作事例から学ぶノウハウ〜
イマーシブ・オーディオの制作を行うにあたり、最も基本となるのは「チャンネル・ベース」の考え方。チャンネル・ベースでの録音とミックスのノウハウは、全てのフォーマットの制作で即戦力となります。 本セミナーの講師は、チャンネル・ベース作品の豊富な録音経験を持ち、現在は株式会社WOWOWにてその実力をいかんなく発揮している入交英雄氏。氏が近年携わった多くのイマーシブ録音を取り上げ、その制作背景や技術的なポイントを詳細に解説します。 事例としてご紹介する作品は、「7秒の残響時間」の大空間で知られる東京カテドラル聖マリア大聖堂で行われたイマーシブ録音や、世界遺産バチカン市国のサン・ピエトロ大聖堂にて収録を行なった貴重音源など。さらにピアニスト・山本剛トリオのホール録音作品では、ミックスで使用した各パーツを個別に聴きながら、どのように音像が組み立てられているのかを実際にご体感いただきます。 高精細な映像と共に紹介される楽曲と、その制作秘話をお楽しみください。
Dolby Atmosセミナー
『空間オーディオだからこそ拘りたいサウンド・クオリティ』
Apple MusicやAmazonでも気軽に聴くことのできる、今最もポピュラーなイマーシブフォーマットであるDolby Atomos。この所謂「空間オーディオ」の制作ノウハウは、今最も求められているノウハウであり、まさに即戦力のノウハウと言えると思います。作品をより良い音質でリスナーの耳に届けるためには、オブジェクトベースを正しく理解し、さらには、Dolby Atmosのテクノロジーを正確に理解することがとても重要。まさに、現代のエンジニアが「必ず知っておかねばならない」情報と言えます。本セミナーでは、ハイレゾ・フォーマットのイマーシブ・オーディオで収録されたアルバム『冨田勲・源氏物語幻想交響絵巻 Orchestra recording version』を使い、収録されたままのマスター音源、Blu-RayディスクのAURO-3D音源、Apple Musicでのストリーミングをそれぞれ比較し、その違いを体感していただくことができる貴重なセミナーです。
入交英雄 / Hideo Irimajiri
株式会社WOWOW エグゼクティブ・クリエイター / 博士 (芸術工学)
1956年生まれ。1979年九州芸術工科大学音響設計学、1981年同大学院卒。2013年残響の研究で博士(芸術工学)を取得。1981年(株)毎日放送入社。映像技術部門、音声技術部門、ホール技術部門、ポスプロ部門、マスター部門を歴任した後、2017年より(株)WOWOWへ出向。2020年よりWOWOWエグゼクティブ・クリエイターに就任。1987年、放送業界初となる高校野球サラウンド放送のプロジェクトに関わる。2005年より放送のラウドネス問題研究とARIB委員、民放連委員を通じて規格化に尽力した。学生時代より録音活動を行い、特に4ch録音や空間音響について探求を重ね、現在では3Dオーディオ録音の技術開発と共に、精力的な制作や普及活動を行っている。また、個人的にも入間次朗の名前で音楽制作活動を行っており、花園高校ラグビーのオープニングテーマやPCゲームのロードス島戦記などを担当した。
チャンネル・ベース セミナー
創立45周年記念リファレンス・ディスク
『SONIC DISCOVERIES』にみる「主観的イマーシブ」
Genelec創立45周年を記念して、フィンランド本社にて制作されたリファレンス・ディスク『SONIC DISCOVERIES』。 同音源の録音/ミックスを担当したのは、録音芸術シーンを「ハイレゾ」「イマーシブ」という切り口で牽引する、世界的エンジニア 、Mick Sawaguchi氏。本セミナーでは、2019年7月にフィンランド・ヘルシンキ郊外のシベリウス・ホールにて行なったレコーディング作品や、Genelecの創業者である故イルポ・マルティカイネン氏の長男であるユーホ・マルティカイネン氏による打ち込み作品のイマーシブ・リミックス、そして、これまでにMick氏が国内で収録してきた珠玉のイマーシブ録音の数々を時間の許す限りお楽しみいただきます。 もちろん、使用した機材の紹介からマイキングの詳細まで、実際に録音現場ではどのようなアプローチを行ったのか、そのノウハウも存分にご紹介予定です。
Mick 沢口 / Mick Sawaguchi
沢口音楽工房 UNAMAS- Label 代表 / Fellow member AES and ips
1971年千葉工業大学 電子工学科卒、同年 NHK入局。ドラマミキサーとして「芸術祭大賞」「放送文化基金賞」「IBC ノンブルドール賞」「バチカン希望賞」など受賞作を担当。1985年以降はサラウンド制作に取り組み海外からは「サラウンド将軍」と敬愛されている。2007年より高品質音楽制作のためのレーベル「UNAMAS レーベル」を立ち上げ、さらにサラウンド音楽ソフトを広めるべく「UNAMAS-HUG / J」を 2011年にスタートし 24bit/96kHz、24bit/192kHz での高品質音楽配信による制作および CD制作サービスを行う。第20回/第22回/第23回/第24回/第25回/第26回/の日本プロ音楽録音賞受賞という快挙を成し遂げ、ハイレゾ時代のソフト制作が如何にあるべきかを体現しながらシーンを牽引しつづけている。
360 Reality Audio セミナー
『進化する360 Reality Audio 』
〜イマーシブ最新録音から見える音楽制作への可能性〜
2019年に提起されて以降、急速にその注目度を高めている、ソニー 360 Reality Audio(サンロクマル・リアリティオーディオ)。
使用する音楽は、高田氏が360 Reality Audioで録音からミックスまでを行なった最新音源。
冒頭には、360 Reality Audioコンテンツ制作スペシャリストであるソニー株式会社 プロフェッショナルソリューション事業室 渡辺 忠敏氏によるショート・レクチャーも予定。 360 Reality Audio初体験の方も必見です!
高田 英男 / Hideo Takada
所属:株式会社ミキサーズラボ / 一般社団法人 日本音楽スタジオ協会 常任理事
1969年、日本ビクター入社(ビクタースタジオ配属)。録音エンジニア業務に従事。2001年、ビクタースタジオ長。2012年、サウンドプロデューサーに就任。2016年ミキサーズラボ顧問。日本音楽スタジオ協会常任理事。アイドルポップス、ジャズ、アコーステック録音を中心にエンジニア業務に従事し、日本プロ音楽録音賞、各オーディオ誌録音賞など多数受賞。(株)JVCケンウッドとの連携によりデジタル高音質技術・K2技術&ウッドコーンスピーカー音質創りをサポート。 現在ハイレゾリューション音楽制作&サウンドプロデュースを担当。
AURO-3D セミナー
『ストリーミング用次世代コーデック Auro-Cx』は
イマーシブサウンドをどう進化させるのか
高音質・ハイレゾに対応したイマーシブサウンド・フォーマット「AURO-3D」が、ついにストリーミングに対応。現在、インターネット経由のストリーミングで聴くことができるイマーシブサウンドにおいて、ハイレゾ・ロスレスによる最高音質を実現した次世代コーデック「Auro-Cx」を存分にご体感いただけるセミナーです。会場には、Genelecのポイントソース・メイン・モニター「8381」と、同軸3ウェイ・モニターのThe Onesシリーズで構成した7.1.4chのイマーシブ・セットアップをご用意。最高音質のイマーシブサウンドだけにととまらず、スケーラブル・オーディオ・コーデックやアダプティブ・ビットレートなど、まさに次世代とよぶにふさわしい数多くの特長を有するAuro-Cxのコンセプトから今後の展望まで、ベルギーのNewAuro BV社のCTO、Bert Van Daele(ベルト・ヴァン・ダーレ)氏に詳しく解説いただきながら、これまでAURO-3Dによる真のイマーシブサウンドの世界を体験されたことのない方にも分かりやすくご紹介いたします。
ベルト・ヴァン・ダーレ / Bert Van Daele
NewAuro BV社 最高技術責任者
ベルト・ヴァン・ダーレ(Bert Van Daele)氏は、NewAuro BV社の前身であるAuroTechnologies NV社に引き続き、NewAuro BV社においても最高技術責任者(CTO)を務めています。AURO-3Dの開発が始まった当初から、AURO-3Dフォーマットと会社のビジョンを支える技術チームをリードしてきました。Auroチームに入る以前は、Royal Philips NV社において電気・音響開発エンジニアとしてそのキャリアをスタートさせ、国際的なCEビジネス向けのオーディオ製品のハードウェアおよびソフトウェア開発で豊富な経験を積んできました。音楽とサウンドに情熱を注ぐベルト氏は、25年以上のキャリアを通じて、サラウンドとイマーシブ・サウンドのエキスパートとして知られるようになり、様々な標準化団体に参加したり、業界のイベントでスピーカーやモデレーターを務めたりしています。
*セミナー実施協力および解説補助 入交英雄(WOWOW)濱﨑公男(ARTRIDGE LLC)
8381 試聴セッション
Genelecの45年の情熱を注ぎ込んだ、新境地を切り開く新しいSAM™ アダプティブ・ポイント・ソース・メイン・モニター「8381A」を体験できるセッションです。
8381A は、ソースのレベルやダイナミクスを忠実に再現し、あらゆるディテイルを再現します。フリースタンディング型で柔軟に設置でき、高度な室内音響キャリブレーションにも対応。エンジニアやクリエイターのために作られた、最高品質の製品です。
当日は、ゆっくりとリファレンス品質の音を聴いていただくため、グループ3社が腕によりをかけて、最高のオーディオ体験を皆様にご提供できるよう準備をさせていただきました。
スピーカーは、もちろん、GenelecのThe Onesシリーズ。L/Rには、先日発表されたばかりのポイント・ソース・メイン・モニター「8381A」を採用し、残りのサラウンドスピーカーも全てThe Ones 3ウェイ・ポイント・ソース・モニターで組みました。
同軸モニターによるポイント・ソースは、多数のスピーカーを同時に使用するイマーシブレイアウト時に特にその効果を発揮するのは 多くの方がすでにご存知だと思います。当日は、基本の7.1.4レイアウトに加え、セミナーによっては最大5.1.5.5(360 Reality Audio用レイアウト)までのスピーカーアレイをジェネレックジャパンチームが心を込めて会場にご用意いたしました。
再生機器は、シンタックスジャパンが取り扱う、ドイツのプロフェッショナル音響機器「RME」。色付けのないクリアな音質、そして、なによりその絶対的な安定性により、多くのプロフェッショナルにご愛用をいただいているブランドとなります。
そして、過去のMedia Innovation Workshopにご参加の方はよくよくご存知のことだと思いますが…そうです、良い音は、良いスピーカーと良い再生機器だけでは作れません。
お部屋の反射のトリートメント、つまりルームアコースティックの調整が、何より大事! そこで、エムアイセブンジャパンからは、ポルトガル発の美しく室内音響を改善するブランド「Vicoustic(ビコースティック)」の登場です。
吸音、拡散、それぞれのパネルを組み合わせて、総合計100+パネル(!)を投入し、最適なリスニング環境をみなさまにご提供。
もちろん、ご期待いただきたいのは、スピーカー等機材だけではありません。 スピーカーや機材はむしろ脇役。
主役は、セミナー枠を彩る多彩なゲストのみなさまとなります。
「Media Innovation Workshop @ Inter BEE 2023」では、現在ご利用いただける数々のイマーシブフォーマットから、厳選した3つの商用フォーマットをテーマに、それぞれのフォーマットにおける最前線で活躍するゲストのみなさまをご用意いたしました。
レポート記事を是非お楽しみください!