「真のリファレンス・モニタリング」を可能とする「GLM 4.1」を提供開始
株式会社ジェネレックジャパン(代表取締役:村井幹司、本社:東京都港区)は、世界中のスタジオから高い支持を獲得するフィンランドのスピーカー・ブランド、Genelec社が開発するオーディオ・モニターのセットアップ/キャリブレーション/コントロールを一括して行うことのできるソフトウェア「GLM™(Genelec Loudspeaker Manager)」の最新バージョンとなる「GLM 4.1」の提供を開始いたしました。
Genelecが最初のバージョンとなるGLM1.0を発表したのは、遡ること15年前の2006年。これは、Genelecが「真のリファレンス・モニタリング」をご提案してから15年という大きな節目の年を迎えたということでもあります。
そもそも、Genelecはそれよりももっと以前の1980年代から、数々のスタジオのキャリブレーションを積極的に行って参りました。最初のモデル「S30」からDIPスイッチを搭載していることからもお分かりいただけるように、皆様がお使いの環境に対してスタジオ・モニターをどのように最適化させるかということを、Genelecは創業以来追求し続けております。そしてこの思想を実現するために、90年代よりDSPを搭載したモニターの研究開発をスタート。これが現在のGLMへと繋がっております。
今回発表するGLM 4.1は、そんな長年に渡る研究成果の集大成とも言えるメジャー・アップデートです。GLMの心臓部に採用された新たなキャリブレーション・アルゴリズム「AutoCal 2」、全てのコードを見直したことによる処理能力の高速化、The Onesシリーズにおける位相直線性の向上、モニター・コントロールにおける新機能の実装など、その進化のポイントは実に多岐にわたります。
さらに強力なモニタリング・ソリューションとなったGLM 4.1が、「真のリファレンス・モニタリング」を皆様にお届け致します。
GLM 4.1の入手につきましては、www.genelec.jp/glm/内のフォームに必要事項をご記入いただくことで、無料でダウンロードいただくことが可能です。
※GLMソフトウェアの使用には、GLM Kit (8300-601)およびSAM™スタジオモニターが必要です
GLM Kit (8300-601)
オープン・プライス
●パッケージ内容:GLM™ ネットワーク・アダプター、USBケーブル、Genelec 8300A キャリブレーション・マイクロフォン、マイク・ホルダー(3/8インチ、5/8インチ用)
■GLM 4.1の特徴
さらなる測定精度と処理速度の向上を実現した
キャリブレーション・アルゴリズム「AutoCal 2」*
GLM 4.1では、心臓部にコードの全てを見直した64ビット・アーキテクチャーを採用するキャリブレーション・アルゴリズム「AutoCal 2」を新たに採用。システム内に存在する各モニターについて無響室で測定された詳細な性能と、実際の測定結果を組み合わせて演算することに加え、直接音/反射音をより正確に識別して活用することで、キャリブレーションを精度を向上させることに成功しました。
処理速度も従来と比較して最大で4倍もの高速化を実現し、一般的な2.1chシステムであればわずか40秒程度で測定が完了。また、多くのモニターを必要とする大規模なイマーシブ・システムでも、数分単位でキャリブレーション完了までの時間を短縮しています。
また、AutoCal 2では取り扱うことのできるフィルター数が増加し、より正確な補正を実現しました。また、特定の帯域において効果的なポジティブ・ゲイン(+方向への増幅)の調整機能を実装。リスニング・ルームにおける典型的な床の反射の影響などを、効果的に補正することも可能としております。
*今回、新機能が追加された「AutoCal 2」はクラウド上でのみの実行となるため、キャリブレーション等を行う際にもインターネット接続が必須となります。インターネットに接続されていない環境にてGLMを使用する場合は、ダウンロード・ページより別途「Local AutoCal」をインストールしてご利用ください。
The Onesシリーズにおいて100Hzまで拡張された位相直線性
グループ内でThe Onesシリーズ(8331A、8341A、8351B、8361A)を使用している場合、新たにおよそ100Hzまで位相直線性を拡張することのできる機能を「AutoCal 2」に実装しました。
3ウェイのポイント・ソース・モニターにて、Bass-Mid間およびMid-Treble間のクロスオーバーにおける位相直線性は、フォーカスの精度向上、軸外性能の向上、そして50cmにまで迫るウルトラ・ニア・フィールド(UNF)でのモニタリングにおけるイメージの安定化などにおいて、極めて重要な意味を持ちます。
GLM 4.1では新たにこの機能を実装したことで、The OnesのみならずGenelecのSAMコンパクト・シリーズを組み合わせた際におけるパフォーマンスに至るまで、大きく向上させました。
さらなる安定化を実現した測定用マイクロフォンによるキャリブレーション
GLM4.1では、シングルポイントとマルチポイント、いずれのモードにおいてもキャリブレーションのさらなる安定化を実現しました。
特に、マイクロフォンを室内の複数の場所に設置して測定するマルチポイント測定におけるプロセスを改善。各モニターと測定用マイクロフォンの間で生じたバラつきをより適切に処理し、マイクロフォン - モニター間の距離が極端に異なる位置で計測する状況でもシステム・イコライゼーションの精度を向上させています。
イマーシブ・システムでの作業効率を向上させる「Solo-X」機能を新たに追加
イマーシブ・オーディオのモニタリングでは、クリックごとにチャンネルが加算していくグループ・ソロではなく、クリックする度にひとつずつソロにしてモニタリングを行いたい場合がよくあります。
今回新たに追加された「Solo-X」では、最初のソロをキャンセルしてから次のソロを選択する必要がなくなるため、必要なチャンネルを素早くソロにしてモニタリングすることができます。もちろん、必要に応じてグループ・ソロとすることも可能です。
モニタリングをさらに効率化する様々な機能を新規に実装
GLMは、キャリブレーションのみならずモニターの管理からコントロールまで一括して行うことのできるソフトウェアです。GLM 4.1ではモニタリング作業効率を大きく向上させる様々な機能を実装しました。
- GLMレベルパネル
GLMがDAWなどのバッググラウンドにあるなど、GLMのメインウインドウがアクティブでない場合に活用できる機能です。オプションで用意される9101A-B ワイヤレス・ボリューム・コントローラーおよび9310B ボリューム・コントローラー等でグループやボリューム関連の設定を変更した際に、コンパクトなレベルパネルを一定時間表示させることが可能です。 - グループごとに入力感度設定
異なるグループプリセット間のレベルを揃えたり、オーディオソースから発生するノイズレベルの調整に役立ちます。 - オプショナル・ゲイン
オーディオソースが十分な信号レベルを生成できない場合に使用します(使用可能モデル:8351A、1237A、1238A、1234A、1234AC、1236A、1235A、S360A、8351B、8361A、7380A、7382A、W371A) - MIDI設定
MIDIコマンドを介してGLMのボリューム/ミュート/グループ選択をコントロールすることが可能になります。 - 最大レベル制限
9101A-B ワイヤレス・ボリューム・コントローラーおよび9310B ボリューム・コントローラーの使用時に、必要以上にシステムのレベルが高くならないように制限するものです。 - GLMウインドウの位置の記憶
GLMを立ち上げた際に、最後に使用していたウインドウの位置を記憶して表示します。 - キーボード・ショートカット
GLMのウインドウが最前面にあり、なおかつウインドウが選択されている場合は、キーボード・ショートカットが使用できますが、GLM 4.1では新たにこれを有効/無効に切り替えることができるようになりました。 - Tooltips(ヒント)機能
各ボタン等へマウスオーバーすると、それぞれの機能の解説が表示されます。 - 全10カ国語への対応
英語、日本語、中国語、フィンランド語、ドイツ語、韓国語、スペイン語に加え、フランス語、イタリア語、ポルトガル語を追加しました。
■GLM 4.1
システム要件
●Cloud AutoCal 2を使用する場合:Windows 10(64bit)、mac OS 10.11 – 11.0.1(Intel CPU)、mac OS 11.0.1(Apple Sillicon CPU、要Rosetta)●Local AutoCalパッケージを使用する場合:Windows 10(64bit)、mac OS 10.11 – 11.0.1(Intel CPU)●ディスクスペース:2GB以上●インターネット接続:次の動作には、要インターネット接続 (1) ソフトウェアのダウンロード (2) Cloud AutoCal 2を使用するキャリブレーション* (3) Local AutoCalパッケージを最初使用する際のマイク・キャリブレーション・ファイルの自動取得
注:今回、新機能が追加された「AutoCal 2」はクラウド上でのみの実行となるため、キャリブレーション等を行う際にもインターネット接続が必須となります。インターネットに接続されていない環境にてGLMを使用する場合は、ダウンロード・ページより別途「Local AutoCal」をインストールしてご利用ください。
使用可能なSAM™システム(生産完了品含む)
●8200モニター・ファミリーを含むSAM™モニター・モデル:8240A、8250A、8260A、●8300モニター・ファミリー:8320A、8330A、8340A、8350A、8331A、8341A、8351A、8351B、8361A、W371A●8400モニター・ファミリー:8430A●1000&1200モニター・ファミリー:1032C、S360A、1237A、1238A、1238AC、1238CF、1238DF、1234A、1234AC、1235A、1236A●SEシステム:SE7261Aサブウーファーと併用した場合の8130A●7200ファミリー:7260A、7270A、7271A●7300ファミリー:7350A、7360A、7370A、7380A、7382A
※それぞれのモデルにより、対応する機能が異なります。
■Genelecについて
Genelecのミッションはサウンドをできるだけ忠実に再現することで、お客様の夢を叶える手助けをすることです。Genelecは1978年以来、高品質のスタジオ・モニターおよびアクティブ・スピーカーを開発し続けております。他の追随を許さないGenelecの研究開発への取り組みは、数々の業界初となる製品を生み出し、アクティブ・モニターで業界を牽引する存在として活躍しています。株式会社ジェネレックジャパンは、日本のお客様に対するサービスとサポートをさらに強化し、Genelecブランドおよび革新的技術を皆様にご紹介しています。
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■本プレスリリースに関するお問い合わせ
株式会社ジェネレックジャパン 担当:浅田〒107-0052 東京都港区赤坂2-22-21 email : press@genelec.jp