MDC™ドライバー・テクノロジー
MDC™ (Minimum Diffraction Coaxial)ドライバー・テクノロジー・トランデューサーは極めて優れたサウンド・イメージを再現します。
現行の同軸デザインすべてに典型的なのが、回折の問題により生じる、でこぼこした周波数特性です。しかし、ソースの位置が一致しないことによるクロスオーバーの問題は、同軸構成により解決されます。GenelecのMDC™ (Minimum Diffraction Coaxial)ソリューションはここに端を発しています。一般的な同軸デザインの利点の恩恵を受けつつ、不十分な部分を克服します。
最初のステップは、コーンの変位を最小限に抑えること、つまり、ドライバーの低周波数帯域幅を制限することです。次は、回折のあらゆる発生源をなくすことです。MDCデザインの主要構造は、一体化されたMFダイアフラム・サスペンション・ツイーター構造から構成されています。同軸ドライバーの外から見える部分はカーブした柔軟な外皮で形成されており、その中央にはドーム・ツイーター・アセンブリが配置されています。内側部分はコーンが音響上の不連続を生じることなくツイーターにつながり、外側部分もコーンとドライバー・シャーシとの間で同様につながっています。
ツイーターとコーンとの間に聞き分けることのできるような音響上不連続はなく、滑らかな表面で回折もありません。コーンの断面形状は極めて入念に最適化されており、ツイーター放射の一体型指向性制御ウェーブガイドが形成されています。ドライバー外縁は、ミッドレンジの放射の分散も制御できるよう、通常のGenelec DCWへとつながっています。そのレスポンスは軸上でも軸外でも極めて滑らかで不規則なところがなく、指向性もうまく制御されています。
同軸デザインにおけるこの飛躍的進歩により、軸上および軸外でのイメージングと全体的な音質の改善、音楽に含まれるディテールを明瞭かつ精細に再現できる非常にスムーズな周波数特性をもたらします。
要約すると、GenelecのDCW™ とMDC™ を組み合わせたデザインの独創的な点は主に以下のようなものになります。
- ツイーターおよびミッドレンジのダイアフラム間の回折のない接続
- ミッドレンジのダイアフラムとDCW™ ウェーブガイドとの間の回折のない接続。
- 特許技術のミッドレンジ・ダイアフラム・テクノロジー ― 硬質なコーンと、サスペンション自体を含む弾力性のある内部損失の高い素材とを組み合わせたラミネート構造。
- 生じがちな非線形性を打ち消すミッドレンジ・ダイアフラム・サスペンションのペア。
これらの技術上の利点:
- よりスムーズな周波数特性が得られます。
- 各ドライバーがそれぞれの動作帯域幅にわたって一貫して連結されます。
- 重要な周波数帯域での指向性制御を大幅に向上させます。
- バランスの取れたサスペンションを提供して音響上の歪みを最小限に抑えます。
- 8000シリーズの外観と利点はそのままに、フロント・バッフル・エリアの使用を最適化します。